PLANTの強さ

「必要なものを、納得できる価格で」商業者の戦略と消費者の購買意識のギャップに潜む、ビジネスチャンス

個人の消費志向にはふたつの側面があります。ひとつには、日常生活に必要なもの(コモディティグッズ)は、納得できる低価格で買いたい。ふたつ目には、趣味嗜好品は、価格よりも質やデザインにこだわり、納得の逸品を探したいという側面です。この消費者志向に反して、多くの小売業は集客力を高めるためとして店舗施設を豪華にしたり(=コストアップを価格転嫁)、人気商品や売れ筋商品への絞りこみ(=アイテムの縮小)を行なっています。このことは「売り手側の論理を押し付ける」ことであり、決して消費者が求めていることではありません。PLANTは店舗の内外装などには大きなコストをかけず、消費者のニーズに応えるべく丹念に品揃えした結果、巨大な売場と大きな売上を実現しました。

"ルーラル(いなか)"という未開の商圏をターゲットに必然的に誕生した「スーパーセンター」

PLANTの原点は、食品中心のスーパーマーケットが毎日の買い物ニーズを満たしきっていないことに着眼し、それを補完する業態として「ジョイフルストアーみった」から出発しました。しかし、スーパーマーケットやショッピングセンター、百貨店などあらゆる小売業が林立する都市部はともかく、そのような商業開発から取り残された地域(ルーラル)に生活する人々が、毎日の買い物に不自由していることに気づきました。 ルーラル地域は、人口が少ないから採算性が悪いという判断のもと、一般の小売業は敬遠してきた商圏ですが、このような地域でも生活必需品に費やす一人当りの潜在需要額は商業統計によれば年間50万円もあるのです。実際、ルーラル地域では他社が参入してこないことによる高いシェアと相俟って、予想以上のビッグマーケットが潜んでいました。

つねに「絶対的な安さ」を実現する、徹底したローコストオペレーション

「絶対的な安さ」を追求するためには、低水準の売上高販管費比率を維持することが重要になります。そのため、PLANTでは店舗の出店から運営にいたるまで、徹底的な「ローコストオペレーション」の工夫をしています。売場に商品在庫をすべて陳列する倉庫型の店舗であるため商品管理にかかるコストが低減できるほか、「いつでもこのお値段」というEDLP(エブリデーロープライス)政策により、広告宣伝費は売上高の0.39%(平成23年9月期)と他の小売業にくらべて圧倒的な低さであるほか、商品発注作業が簡素であるため、パートタイマー従業員が中心となれる作業図式がシステム化されているので、人件費の抑制を図ることができるのです。

確実に売れる「絶対的な安さ」の実現と豊富なアイテム数によるお買い上げ点数の増加策

経済のグローバル化と競争激化の下、日本の小売業にとって共通の課題は、商品単価の下落問題です。一般的に単価の下落はそのまま減収減益につながるため、多くの小売業者は高粗利益が確保できる商品にシフトし、減収でも減益は避けようとします。しかし、PLANTは違います。売る側の都合を押し付けるのではなく「確実に売れる絶対的な安さ」の確立を追求いたします。低価格は低粗利率につながりますが、経営に必要な粗利額が確保できれば問題はありません。そこで重要な対応策がお買い上げ点数の増加策なのです。徹底した「ベーシックニーズ」戦略による商品のラインアップを図り、それらを「いつでもこのお値段」で提供することにより、お客様の絶対的な信頼を獲得し、お買い上げ点数の増加に結びつくのです。

日常生活に欠かせない必需品をフルラインアップするベーシックニーズ戦略

ベーシックニーズとは、暮らしに密着していて節約できない商品群をいいます。「社会の流行やファッションを追わず、お客様の毎日の生活に欠かせない必需品をあらゆる分野でキメ細かく、しかも豊富にラインアップすること」、これがPLANTのベーシックニーズ戦略です。用途・機能で品揃えをしてお客様にとって生活に必要なモノが必ずこの店にはある、このことをPLANTは目指しています。その結果お客様に「選ぶ楽しさ」を提供しています。

食べる、着る、その他の生活必需品をワンフロアに集結させるワンストップショッピング機能

近年の小売店では、販売効率や商品回転率が優先されているため、どの店に行っても同じ商品構成という「品揃えの画一化」現象が起こっています。消費者はそれぞれ個性的な生活スタイルをもっているため、他店でよく売れている商品を揃えるだけでは消費者に満足していただくことはできません。「スーパーセンター」では取扱商品の分野と間口を用途・機能の面でできるだけ広げることにより"一度のご来店で生活に必要なすべての買い物が完結できる"という利便性を提供しています。そのため、「スーパーセンター」の売場はワンフロアで1万m²~2万m²の広大な面積となっています。

お子様向けのエンターテイメント

スーパーセンターはお客様の買い物時間が長時間に及ぶ場合が多いので、お父様やお母様と一緒に来られるお子様にも店内で安心して楽しんでいただけるように無料のプレイコートをはじめとして売場の各所に「仕掛け」が施してあります。小さなお子様は、保育士がお預かりして一緒に遊べる「キッズルーム」もご用意しています。また、お子様が勝手に店外へ迷い出ないように店の出入り口では「グリーター」が常にお子様に目を配っております。

多機能を実現するスーパーセンター

スーパーセンターは広大な売場面積をもっているので買い物以外に様々な機能を地域に住む人々に提供することができます。現在、臨時郵便局や献血、年金相談、労働相談のほか、65歳以上の高齢者の方向けには、ゆっくり休憩・団欒していただいたり、趣味の教室を楽しんでいただける「高齢者サロン」の部屋を設けています。地元の行政機関や医療機関とタイアップして年金や健康相談などにも取り組んでいます。

事業データ

PLANTを「数字」で見てみよう!努力の積み重ねが実を結んで生まれた数字です。

従業員数 4,000人
取扱商品アイテム数 21万
売上点数
(全店年間)
3億9000万個
全店年間来店数
(レジ通過人数)
3,200万人
一日の来店数
(瑞穂店レジ通過人数)
8,000人
一ヶ月にキッズルームを利用する人数
(横越店利用者数)
1,000人
シャンプー・リンス関連取扱商品 500種類
お惣菜の品ぞろえ数 350
ジャンボおにぎり販売数
(全店一ヶ月)
8万個